一期一会

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<<   作成日時 : 2007/11/07 11:49   >>

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祖父が危篤になった。
容態は決してよくないので、まもなく旅立つものと思う。

彼は夏に危篤になり、それに持ちこたえ、秋口にも危篤になり、そしてそれも持ちこたえた。そのたび、知っている顔が彼のベットサイドに揃い、祖父の名を呼び、手をさすり、涙ぐんだ。

医者に言わせれば、これだけ危篤から回復する人も珍しいそうだ。

祖父は、ここ5年ほど痴呆症で広島の片田舎の老健施設に入りっぱなしであったから、お見舞いに来る人も少なく、寂しい思いをしていたのだろう。そういえば、私も月に一度程度しか施設に行けなかった。いま、自分が何度も危篤になり親戚が何度も集まることで、彼はその寂しさを癒しているのかもしれない。

そもそも彼は寡黙な人で、自分の欲求を正面に出さない人であった。そして、不平不満の類や、人の悪口を決して言わない人であった。

他方、私はよく不平・不満を言う。

不平・不満というのは、それを上手に踏み台にすれば改善を生み出すこともある。だから不平不満を持つこと自体をとがめることはない。しかし、それを無条件・無秩序に外に発する必要はない。自分で消化して、改善につなげればいいのである。私は、不必要な不平・不満の発露をするたび彼を思い出し、反省している。

私は、生き方を背中で見せてきた彼を心から尊敬している。

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